第9回古代史講演会のご案内

<日時>  2023年(令和5年)3月5日(日)午後1時~4時

       開場:12時45分

<場所>  さいたま市宇宙劇場 5階集会室

     (さいたま市大宮区錦町682-2 JACK大宮ビル内)

       JR大宮駅西口から徒歩3分

<テーマ> 阿毎王権(俀(タイ)国)

<概要>  

 『隋書』列伝には「俀国」と記されている。にも拘らず手元の資料などでは「原文」までもが「倭」に書き改められているものが殆どである。

 佃説によれば列島で「倭国」が存在したのは「卑弥呼」と「倭の五王」の倭国だけで、「俀国」≠「倭国」であるという。物部麁鹿火王権の3代目から王権を奪い誕生した「阿毎王権」(『隋書』の「俀国」)は福岡県鞍手郡を本拠地とする物部氏本流の国で、552年から「天武王権」によって王権が奪われる634年まで続く。この間、北部九州に「3つの王権」すなわち「天武王権」「上宮王権」「豊王権」が並存するという。

 607年の朝貢で、隋の煬帝に「日出る処の天子、書を日没する処の天子に致す。恙無しや。・・・」と書を送ったのは3代目の物部大人連公(日本書紀の「押坂彦人大兄皇子」、『隋書』の俀王「多利思北(比)孤」)であり、推古天皇聖徳太子などではない。そして608年に隋から裴世清が遣わされたのもこの国に対してである。同国について、日本書記は552年10月の記事で、天皇は「未だ曾て是の如き微妙之法を聞くことを得ず」と述べ「歓喜し、踊り跳ね」たと記す。『隋書』にも仏教を敬う仏教国と記されている。609年には元興寺筑前に創建されている。
 556年には西日本一帯を支配するが、「蘇我稲目」が重臣として活躍するのも、物部守屋が歴史に登場するのもこの国のことである。日本書紀は「倭王権(筑紫君)」、「物部麁鹿火王権」、および当王権を抹殺し、大和朝廷の出来事として記述するなど改ざんがみられる。「神武東征」以来「ヤマト王権」を「万世一系」にするためであろう。

<講師>  佃收先生

<参加費> 700円

※ 参加方法については、下の「歴史と民俗の博物館友の会」のHPを参照ください。

   埼玉県立歴史と民俗の博物館友の会 junosaitama

           日本古代史の復元 -佃收著作集-